2009年08月19日

昨日の洋書会

本日は朝方少し遅れますが、あとは一日店にいる予定です。

さて、昨日の洋書会、久々にわくわくするような市でした。交換会場を埋め尽くす、とまでは行きませんが、ゆったりながら万遍なく本が並べられ、その9割方が一口もの。

数学者の旧蔵書ということで、専門の数学書はもとより、趣味で集めたらしい挿絵本、古刊本まで、かなり質の高いものでした。

中でも白眉はユークリッドとイソップ。前者の16世紀末の刊本は、この日一番の高値となりましたし、後者の状態の良い銅版画を多く含む大型本は、残念なことに美しい革装の表紙が片方取れてしまっていて、補修にはかなり費用がかかりそうでしたが、それでも十分良い値になりました。

挿絵本で目立ったのは、千夜一夜物語、カサノヴァ回想録、デカメロンがそれぞれ数種類。昔風に言えば好色本が多く、特別な画家の挿絵、あるいは意味のあるエディションでなければ、昨今は思うほど高い値は付きません。

わくわくと言うのは店主にとってではなく、会として良い本が出たことへの喜びです。自分で札を入れたのは数点。ちょっと惹かれた数学の原典数冊の口は、専門店にあっさり持っていかれましたし、他も取れず完敗。

しかし午後3時の開札に至るまでの各書店の駆け引き、開札後のうちあけ話や品評会、それらを見、聞けただけで充分な収穫でした。



konoinfo at 10:00│Comments(0)TrackBack(0)

トラックバックURL

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。

12月31日から1月3日まで
休業いたします
Profile

河野書店

Archives