2009年09月08日

高林さん

神保町の東陽堂書店といえば、業界屈指の仏教書専門店。その当主・高林恒夫さんが急逝され、今夜、上野寛永寺で通夜がありました。

訃報は昨日のうちにFAXで回されていたのですが、うっかり見落としていて、今日、洋書会を終えて帰る途中、同業の喪服姿にわけを尋ね、初めて知ったのでした。

慌てて香典を知り合いに託し、帰路についたのですが、道すがら何とも落ち着かない気分になり、店に戻るまでには通夜に出ようと心を決めました。

故人と格別親しかったわけではありません。会えば挨拶を交わす、たまに世間話をするという程度のお付き合いでしたが、不思議と親近感を抱かせる方でした。

立教大学を出てプロ野球選手となり、巨人軍、国鉄スワローズで活躍。「長嶋茂雄」「王貞治」と書かれた二つの供花が一際目を惹いていました。

享年71。神田では二代目(あるいは三代目)が、この年頃に集中していて、団塊の世代を形成しています。誇れる幼なじみでもあった高林さんを失い、参列のご店主方も、一様に寂しげでした。

供花の並べ方一つとっても、業界葬には何かと気遣いが必要です。故人はそうした段取りに長けておられました。お焼香をしながら、差配したくてうずうずしている、愛すべき世話焼きのお姿を、つい思い浮かべてしまいました。


konoinfo at 20:48│Comments(0)TrackBack(0)

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