2009年09月21日

違いが分かる父子

ボールを抱えた体格の良い小学生の坊やと、お父さんの二人連れ。公園でサッカーでもしてきたのでしょう。店内に入るなり「だめだ、ここはお前には無理だよ。難しい本ばかりだ」

その坊やは、しかしすぐには承服しかねるように、あちらの棚、こちらの棚と覗き込んだあと、吐き捨てるように「古い、古すぎ」。表へ出てからも「古そうな臭いがした」とダメを押しています。

この二人に、店主としては最近の父子連れ部門、好感度ナンバーワンを与えたい。まるで本に興味がなければ、はじめから入っては来ないでしょう。むしろ本好きな坊やなのだと思います。

もちろんお父さんだってそうでしょう。子供向きかそうでないか、すぐ分かるのですから。もう一つこのお父さんのエライところは、もしかしたらご自分には興味のある本もあったかもしれないけれど、連れを従えて棚を見て回ろうとしなかったこと。

「臭い」と「匂い」。この時の坊やは顔をしかめながら、明らかに前者の意味を込めて言い、それは自分の立ち入れない世界があることへの悔しさを、正直にあらわしていました。

しかし店主はそれを、以前あるお母さんが「お爺ちゃまのお部屋と同じ匂いね」と、十分好意をこめて我が子に話しかけていた時より、ずっと嬉しく聞いたのです。

konoinfo at 16:40│Comments(0)TrackBack(0)

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