2010年02月06日

リピーター

「あなたに聞くのも変ですが、今日は寒いですか」。週に一度、ご来店のたび、律儀に表の本を一冊お買い上げくださるフランス語教室の先生。

日も差して良いお天気なのに、部屋の中にいても寒さを感じ、体の具合でも悪いのかと思ったと、独り言のように話しながら引き上げられました。

時折強い風も吹いて、確かにちょっと外に出ただけで体に滲みるような寒さです。

「すいません、持ってきちゃいました」と、こちらは以前にも何度かお持込みのお客様。ご主人(フランス人)がワンボックスの乗用車を店の前につけています。

さて降ろし始めると、次々に出てくるのはファッション系を中心とした雑誌の束。いずれも持ち重りのするものばかり。腰までの高さで6つの山ができました。他に紙袋が8つ、小さな段ボール箱が5つ。

「車は大丈夫でしたか」「主人は重い、重いといってました」

もう一人別のお客様、紙袋一つお持込み。こちらも時折お出での方。もしやと思って、机の引き出しからカフスボタン一つ取り出してお目に掛けると、「いやあ、これは僕のだ」。

以前、紙袋を整理しているときに見つけたもので、たぶんその方だと思いながら確証もなく、そのまま取っておいたのです。

もうリタイアして着ける機会もないが、僕には思い出深いものですよと、しみじみと見つめ、持って帰られました。


konoinfo at 17:29│Comments(0)TrackBack(0)

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