2010年03月03日

盗撮

今日はまた日中暖か。三寒四温というより、もっとめまぐるしい春先の天気の移ろい。

帳場の向かいの小さな本棚に、ビジュアル系のどちらかといえば小型の本がまとめてあります。

その前に立って先程来、熱心にページを繰っている若い女性。帳場に背を向ける形になりますから、開いた本の写真図版がこちらからも覗けます。なにやら小物を撮った写真。

そのうち携帯を取り出して、操作を始めました。瞬時に終えてポケットへ。しばらくまたページを繰り、再び携帯を取り出します。メールでもやり取りしているのかと思ったのですが、またすぐポケットに。三度目に操作を始めたとき、声を掛けてみました。

「すいません、ちょっと撮るだけですから」どうやら中身を写していたらしい。悪びれる様子もありません。さすがにそれでおしまいにして、他の本棚をざっと見て回り、帰ろうとします。

「何かの役に立つの?」と聞くと「デザインをやっているんです」。

何故それがすべきでない行為かを根本的に理解していないようです。一番分かりやすい理屈だけ言ってみました。「これじゃうちは一文にもならないよ」

返ってきた言葉は「今度また何か買いますから」。

買ってもらえば確かに小店にとって利益だが、それは買うあなたにとっても利益であるはずで、埋め合わせにすることではない、などと続ける気力もありません。

「頼むよ」とあくまで機嫌よく送り出しました。

konoinfo at 17:23│Comments(0)TrackBack(0)

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