2010年12月25日

本より必要なもの

昨日の夕方あたりから、ぐんと冷え込んできました。今朝も明るく晴れたのに、時折吹く強い風は身を切るよう。いつもの土曜日に比べて、お散歩の人出も終日まばら。

顔艶の良い、小奇麗な身なりをした(おそらく)70代のご婦人―などというよりオバチャンと言うほうが似合う人、ご来店。

「あのさあ、法律の本なあい?」
「何のためにお入用なんですか」
「土地の売買。それ法律でしょ?土地の売買の仕方について書いてあるような本」
「そういう本だと、うちにはありませんねえ」
「ないの?小六法とかも?」
「小六法ではそういうことは分からないと思いますよ」
「あそう。小六法じゃ駄目なの」

するとお連れの男性。丸刈りの、料理人さん風、たまにお見かけする方が「言ったでしょ。難しい本だから、こういう所にゃ置いてないって」

「渋谷の大きな本屋さんへ行って、尋ねてみるのがいいと思いますよ」と店主。「そうですか、分かりました。いろいろどうも有り難うございました」

お見送りして、ふと思いました。必要なのは本ではなく、適切な助言者ではないだろうかと。書店を紹介するより、専門家に相談することを進めるべきではなかっただろうかと。

konoinfo at 18:15│Comments(0)TrackBack(0)

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