2011年02月26日

本か客か

「良い本を探すのは難しいが、良い客を見つけるのはもっと難しい」

遥か昔、洋書会仲間と、アメリカへセドリ旅行に出掛けた時出会った、現地業者の一人が語った言葉です。本を見せてくれる時のもったいぶった様子と、その芝居がかった口調だけは今でも覚えています。

あまり大仰に感じたので、その時は却って感銘も受けなかったのですが、この商売の真理を衝いていることは間違いありません。確か find と言っていたと思います。

ただ誤解のないように申し上げれば、良いお客様がなかなか見つからないという意味ではなく、良いお客様を見出すことが、本屋にとって最も重要だということです。

こんな古い記憶を持ち出したのは、今朝の朝日新聞で「一人出版社」の記事を読んだことによります。

埋もれていた良い本に光を当てて、もう一度世に出す。意義深い仕事で、古本屋と似たようなところはありますが、ベクトルが多少異なるような気がします。

古本屋にとって一冊の本が売れる相手は一人だけですが、一人のお客様が買われる本は一冊とは限りません。良いお客様を見つけるほうが、商売効率が良い道理です。

しかしもちろん、見つけるというのは言葉の綾で、本を、店をお選びになるのはお客様の側。いかにして選ばれるか、それには良い本を選び棚に入れるほかありません。

またしても当たり前の結論になってしまいました。

konoinfo at 17:58│Comments(0)TrackBack(0)

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