2011年02月28日

自由でしょ

時折雪の混じる雨の月曜日で、月末。「古本屋のオヤジ」をやってしまいました。

写真図版が中心の本を、先刻から開いては読み、また開いては読みしている若い男性。一旦本を棚に戻すと、肩にかけたバッグからノートと筆記具を取り出し、ノートを開くとまた本を抜き出してその上に重ねて乗せました。

筆記具を手に持って、再びじっくり本に目を通し始めます。ついに一言声をかけました。
「何をしてらっしゃるの」

男性は、振り向くと両耳のイヤホンを外し、え?というような顔をしますので、もう一度同じ質問。

「ああ、名前が覚えきれないので、書き留めておこうと思って」
本の題名ではありません、中で紹介されている人物の名です。
「そういうことはやめて貰いたいな」と苦笑混じりに言うと、心底不思議そうに「何故いけないんですか」と問い返されました。
「悪いことするわけじゃないし、自由でしょ」

本屋に入って、面白そうな本を手にとって見ているうちに、書き留めたいことがあって、ノートを出した――という行為そのものを否定する気はありません。それなら買えよとまでは言いません。

しかし公共図書館ではない、町の古本屋でそれをやる場合は、それなりの気遣いを見せて欲しいと思うのです。少なくとも、買う気のない食べ物を試食する時くらいの気恥ずかしさは、持っていて欲しいと思うのです。

「自由でしょ」と言われて、その本をその棚に差しておかない自由を、行使させてもらうことにしたのでした。

konoinfo at 18:10│Comments(1)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

1. Posted by こっぺりあ   2011年02月28日 22:20
同感です。

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