2011年04月28日

好感度

午後3時を回っていたでしょうか。店主と同年輩の男性が、表の洋書均一棚に近づき、提げていた袋からガサガサと何かを取り出すと、ポイと口に放り込み、ポリポリと音を立てて食べ始めました。

すぐに棚から一冊の本を抜き出し、顔に近づけて真剣に目次や索引などを調べておられます。その様子は、単なる冷やかしには見えません。その間もポリポリ。

どうしたものかと迷った末、それとなく近づいて様子を伺いますとやがてまた手が袋に伸びます。そこで静かに「恐れ入りますが、食べながらはご遠慮ください」と申し上げると、あわてたご様子で「いや、これは失礼しました。食事がまだだったものですから」と詫びられました。

普通は、飲食をしながら歩いて来られ、本屋に気づいて立ち寄られるというパターンが一般的。そんな場合は「お済ませになってからご覧ください」と申し上げるのに、躊躇はありません。

しかし今日の方の場合は、いくらか気が引ける思いでした。いかにも、食べる間も惜しんで本を探しているという風情でしたので。

表で三冊ほど(ポリポリなしで)お選びになると、店内をざっと一回りしてからお勘定、「いや、本当に失礼いたしました」と改めて恐縮されて、お帰りになりました。

一方には、ここの本は殺菌してありますかと尋ねるような若者がいます。彼なら間違っても、ものを食べながら本に触れるようなことはしないでしょう。しかし店主は、はるかに今日のお客様の方に好感を抱きます。

konoinfo at 18:29│Comments(0)TrackBack(0)

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