2011年06月26日

おねだりしたよう

ebinaどこから情報を得たのだったか、本人と市場で顔を合わせたときつい「本、出したんだって?」と声を掛けてしまいました。催促したような形になって、今日、その本が届きました。

『えびな書店店主の記』(蝦名則、四月と十月文庫、2011年6月)、文庫判を一回り大きくした、173頁の瀟洒な本です。

生まれ年も同じ、組合に入ったのもほぼ同時期。一緒に理事会で機関誌を担当したこともあります。つい親しげな口を利いてしまうのも、そんなところからです。

しかし同じ年月を古本屋として過ごしてきて、彼我には随分と大きな差が出来てしまいました。

片や年四回、美術専門書目録を発行し、貴書珍本、時には美術品まで扱い、合間にご夫人と国内外に旅行する優雅な暮らし。同年代に限らず、創業組の成功事例の一つです。

一方小店はといえば、未だ自家目録の一冊も出せず、人に誇れる専門分野も持てず、かといって店を繁盛させることも出来ないまま、今日に至っています。

しかし、ただ羨んでいるわけではありません。彼には彼なりの多くの苦労があるはずで、それも含めて、敬意を抱いているのです。翻って、自らの来し方についても、決して悔やんでいるわけではありません。

ともあれこの本は、そんな彼の自家目録「書架」に書いた編集後記を中心にまとめられたもので、還暦の記念でもあるとか。

日頃、挨拶と冗談くらいしか交わさなくなった旧知の同業の話に今夜は静かに耳を傾けてみようと思います。

konoinfo at 18:30│Comments(0)TrackBack(0)

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