2011年07月25日

悠々自適

暑さがぶり返し、強い日差しの昼時、道を行く人影も途絶えがち。

そんななか、長いこと表の棚を丹念にご覧になっている、高齢の男性がおられます。半ズボンに、デッキシューズの踵を潰して履いた軽装で、暑さも特に苦にしておられないご様子。時折伺い見ると、少しずつお選びの本が増えているようです。

小一時間、あるいはもっと経ったかもしれません、ようやく10冊ばかりの本を抱えて、店内に入ってこられました。それを帳場の前に積むと、「あと少し、店の中も見せてください」。

こちらは相も変わらず、滞留している本の入力作業。しばらくして更に四、五冊追加され、「じゃ、これで」となりました。

RIMG3669「お持ちになれますか」「大丈夫だと思います」お会計が済み、二重にした紙袋に本をお入れしようとすると、「ちょっと」と制止され、ご持参の布製の手提げ袋を空にして、それにご自身で詰め始めます。

無理かと思った本が、すべて納まり、更には袋から取り出した細々したものも、押し込むようにして入れ戻してしまわれました。

感心していると「いつもお宅に来ると、ちょうどこれくらいの量になるのです」とおっしゃいます。「前に自転車を置いたままですが、ちょっとマクドナルドで一服してきます。一休みして、帰る元気を付けてきます」

日が翳り少し涼しくなるまで、そこで本でも読まれるおつもりらしい。暑さが苦にならないわけではなかったようです。

源氏物語を読もうか、プルーストを読もうか、迷っているところだと言っておられました。ゆっくりとした時間のなかに、身を置かれているのでしょう。

夕刻気がつくと、いつの間にか自転車は消えていました。

konoinfo at 19:20│Comments(0)TrackBack(0)

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