2011年09月25日

Serendipity再び

「これだけ、まだ読んでなかった」50代の男性が嬉しそうに表から帳場までお持ちになったのは『翔ぶが如く』。文春文庫の全10冊セット、状態もまずまずで、1000円。

昨日、店番のミセスBがOPPの袋に詰めていたものです。値付けも彼女に任せてありました。なかなか思い切った値段。すぐに売れるだろうとは思いましたが、昨日の今日とは。

その男性、他にも店内の本を二冊お買上いただき、「ちょっと尋ねますが」と切り出されました。

「大昔に、と言うのはもちろん大袈裟ですが、芥川賞を取った、李良枝という作家の、全集が出ていますが、ご存知ですか」

ご存知も何も、今も一冊在庫しています。そのようにお答えすると、ひどく驚かれて、是非見せて欲しいと仰います。店の裏から出してきて、お目にかけました。

『李良枝全集』(講談社、1993)定価は5800円ですが、しばらく前から品切れで、小店の売価は8000円。自店ホームページには載せていましたが、『日本の古本屋』には出していませんでした。おそらく小店より安く出品していた店があったからでしょう。

今日改めて調べてみると、すでに売れてしまったらしく一点も出ていません。念のため、某サイトをチェックすると、4点出ていて最安値が9750円。

「本名は田中淑枝というんです。実は彼女とは同級生で、机を並べていたこともあります。とても手に入れたい本でした」

なるほど「大昔」というのは、ご自身の思い出が言わせた言葉だと納得しました。
RIMG0238
それにしても、巡り会わせというのは不思議なものです。ひと声お掛けいただかなければ、小店の本もまだしばらくは棚の肥やしになっていたかもしれません。

konoinfo at 18:30│Comments(0)TrackBack(0)

トラックバックURL

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。

平日午前10時〜午後7時、土日祝日は午前10時から午後6時まで、毎日営業いたしております
Profile

河野書店

Archives