2011年10月01日

匂いの秋

近所に彼岸花が群生している土地があり、いつも時期になると、ある日突然、一斉に花を開かせるのですが、家人によれば今年はお彼岸に一日二日遅れて咲いたとか。今朝もまだ、赤い花が咲き揃っていました。

庭の金木犀も香りだしました。この匂いくらい、秋を感じさせるものもありません。視覚に季節の移ろいを訴えるもの程には、嗅覚に訴えるものが多くないからでしょうか。秋刀魚を焼く煙と言っても、いまや秋に限りませんし。

ところで匂いといえば、古本屋には独特のにおいがあるとは、よく言われることです。それを「匂い」と表現するか、「臭い」と表現するかは微妙なところですが、お店に来られて「本屋さんの匂いだ」と仰る場合は、好意的なものだと信じております。

本には、それ自体の固有の匂いの他に、後からつけられるものもあります。一番多いのがタバコ。近頃は、タバコ臭として表記しておかないと、販売後、クレームの対象になったりします。

他には化粧品の様々な香料。ご本人は好きで纏う香りなのですが、移り香程度ならともかく、直接振り掛けたかと思われるほど染み込んでいると、耐えられない悪臭と感じる人もいます。

一度、そう断ってお売りした本にたいして、限度を超えているとお叱りを頂いたこともありました。

RIMG0273かくのごとく一冊一冊の本は独自に様々な匂いを持っています。それが多数集まってみると、全体として「本屋さんの匂い」になるのが不思議なところです。

店主ほどに甲羅を経てきますと「本の匂いが染み付いているようだ」とも言われるようになります。光栄なことではありますが。

konoinfo at 18:30│Comments(0)TrackBack(0)

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