2011年11月22日

車中で読み継ぐ

不思議な縁で、読むことになる本があります。

テッサ・モーリス=スズキ著、田代泰子訳『北朝鮮へのエクソダス 「帰国事業」の影をたどる』(朝日文庫、2011年)が、まさにそんな本でした。

この本は頂きものですが、その経緯は、いずれ、下さったご本人の了承が得られたら、明らかにしたいと思います。

頂いた本は、難しくて歯が立たないものでない限り、読むように心がけています。今回の場合、タイムリーな興味に駆られ、すすんで読み始めました。

それは、その少し前、録画してあった映画『キューポラのある街』を、見たばかりだったからです。

映画の後半部分、大きな盛り上がりを見せて印象に残るのが、まさに本書のテーマとする「帰国事業」の場面であることは、ご覧になった方なら同意いただけると思います。

本は読み応えのあるものでした。冒頭で現場をフォーカスし、やがてカメラを引くように、時代と国家間の思惑を追い始めます。

資料は主に、事業を担った側のものですから、ロングショットが多くならざるを得ませんが、その間ずっと店主の脳裏には、あの映画で、帰国列車から一人抜け出した少年の姿がありました。

おかげで一層、感銘深く読むことが出来たと思います。もとより著者の心情も、この事業に翻弄された側に寄りRIMG0634添ったものであったことは、読み通すことで理解できます。

それにしても、帰国事業並みに時間のかかった読書でした。

konoinfo at 19:30│Comments(0)TrackBack(0)

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