2011年12月02日

蔵書一代

明治古典会は3階のみ使用。東京資料会の大市準備が始まっているところを、このフロアだけ空けていただいての開催です。

出品量はいつもより少なめですが、スペースがいつもの半分なので、隙間なくぎっしり並びました。

今日、店主の興味を引いたのは「真鍋博蔵書シール付」と封筒に注記された一口。言うまでもなく、SF作品への挿絵などで著名なイラストレーターの旧蔵書です。

美術系洋書が中心でしたが、今回出品された限りでは、本自体に、格別値打ちのあるもの、貴重なものは、あまり含まれていなかったようです。

価値はむしろ、誰が旧蔵していたかにある。となると、その証となる「蔵書シール」が、どんなものか気になります。仕分けられた一つの山で、一冊、また一冊と本を開いて調べてみました。

数冊見ても、なかなか見当たりません。そのうちようやく裏表紙裏中央に、3センチ四方ほどの、小さなラベルが貼られていることに気づきました。

メタリックな地に小文字のmが図案化され、細かなアルファベット文字でHIROSHI MANABE とあります。彼らしさの現れた無機質なデザイン。

通常は表紙裏に貼ることが多いので、前見返し中心に調べていたのが、見落としていた原因です。改めて見ると、殆どの本に貼られていました。

年齢よりずっとお若く見えましたから、亡くなられたとき、そんなお年だったのかと驚いた記憶があります。しかRIMG0649し、今調べると11年前のことで、享年68。早いご逝去というべきでしょう。

ひとしきり本を見て回った後は、夕方まで会議。夜はそのメンバーで食事会でした。

konoinfo at 23:35│Comments(0)TrackBack(0)

トラックバックURL

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。

12月31日から1月3日まで
休業いたします
Profile

河野書店

Archives