2011年12月24日

本を見ていない

RIMG0828同業が、ある道具屋さん(古美術商)の市であった話を聞かせてくれました。

つい最近、知り合いの業者が出品した石仏が、発句(最初の競り声)1万円から始まって、最後には1500万円になったとか。

もちろん、ザラにあることではありません。だからこそ、後々まで記憶されて、何かの折に話題になったりします。

古本屋にも似たような例はありますが、ここまでスケールが大きくはない。1000万円を超えるような本が、まるでその価値の分からない人の手に入るということは、殆どありえないと思います。

でも100万円ならあるかもしれない。10万円なら、一生に一度くらいはありそうです。そういうチャンスを見逃さないために、古本屋はせっせと市場に通って目を養います。

しかし、そこにジレンマがあります。目が利くようになると、良い本を安く買うわけには行きません。薄汚れた雑誌一冊、それが何十万円の価値があると知って、ただ同然で引き取れる本屋は、まずいない筈です。

そうは言っても長い目で見れば、やはり知らないことのトクより、知っていることの利益の方が大きい。

市場に行けば、店だけでは何十年掛かっても見知ることのない本に出合えます。さらにそれが取引される現場を見られます。

本を知ること。それが古本屋のAであり、Zです。市場へ行きながら本を見ている間がない、最近の自身への警鐘をこめてそう言いたい。

それが役に立つとは思えなくなるほど、ご来客の少ない一日でしたが。

konoinfo at 18:30│Comments(0)TrackBack(0)

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