2012年01月26日

積読の果て

昨日電話で取り置きを頼まれた本を引き取りに、開店間もない時刻においでのお客様。

良く知った同業からの斡旋でしたので、一割お引きしますと申し上げると、「社用で買うものですから、付いているお値段で結構です」とのお返事。

是非もなく、付け値でお買上げいただきました。いただいた名刺を拝見すると、百科事典で名の知れた出版社の方。お買上げの本は、資料に使われるのか、他社の専門辞典。

古本屋の頭からすれば、いまや売れないものの代名詞(失礼)のような気がする百科事典ですが、あとで同社のHPを見てみると、数年前に最新版が出ていて、現在も販売中。

地道に校訂の作業を続け、更なる新版に備えておられるのでしょう。出版社の社会的使命というようなことを、考えさせられました。電子版にはならないのですかと聞きましたが、今のところその計画はないようです。

念のために申し上げますが、百科事典もこうした現行版、もしくはそれに近い版なら、ちゃんと市場で値がつきます。ただし殆ど出てくることはありませんが。それだけ流通量が限られているということでしょう。

CA3K0046店の均一にThe Harvard Classics 50冊を、一冊300円で並べました。背が擦れて見えなくなっていたり、小口に少しシミ斑があったりと古びておりますが、中はまっさら。

買ったまま、殆ど見ずに時を経て処分。百科事典と似たような運命です。ただしこちらは分売が利くところが強み。classicsの名の通り、錚々たる著作のオンパレードですが、はたして売れ行きやいかに。


konoinfo at 19:30│Comments(0)TrackBack(0)

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