2012年01月29日

柳田から100年

この冬一番の厚い氷が張りました。気温が一番低かったわけではなさそうで、どうやら風のせいらしい。

朝方から吹いていた風は、日中もずっと止むことなく吹き、表を歩く人々は誰も足早。店先に立ち止まる余裕もなさそうです。

ネットからの注文も、途中で寒風に吹き飛ばされているのでしょうか、一向に入ってきません。

昨夜、テレビをつけると面白い番組をやっていたので、ついお終いまで見てしまいました。NHKスペシャル『クニ子オババと不思議の森』がそれ。

今日お客様がお持込の本の中に、雑誌が一冊混じっていて、その表紙に、まさに昨日見たオババが写っています(「ソトコト」2011年5月号、no.143)。ちょっとしたシンクロニシティ。

それを開いて色々と合点しました。何しろ昨日は途中から見たので、椎葉村がどこにあるのかも分からないままでいたのです。訛りは明らかに九州南部、しかし雪深い山の光景が印象的で、混乱しておりました。

雑誌を見、WEBを探ると、このオババ、実は有名人。民宿を営んでいて、ドキュメンタリー映画『森開き』に登場している。

そして何より椎葉村は、柳田國男の処女作ともいえる『後狩詞記(のちのかりことばのき)』(明治42年)の舞台。日本民俗学が、ここから始まったとも言えるほどの土地でした。

RIMG0936そんなことにも気づかずぼんやり見ていたとは、教養の程度が知れます。とはいえ、映像の美しさ、特殊撮影の見事さだけでも、充分に見る価値はありました。

konoinfo at 18:30│Comments(0)TrackBack(0)

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