2012年02月17日

日本のアートが好き

CA3K0061裏で仕事をしていると、店番のχ君が「お客様が、この本の値段をお聞きですが」といって、大きな本を抱えてきました。

棚の上に横積みされた本の、さらに一番上に横たわっていたビュッフェ画『キリストの受難』(求龍堂、昭45)で、確かに値段が付いていません。

どんな人がこれを降ろしたのだろうと、店に顔を出すと、多少たどたどしいところのある日本語を話す、外国の方でした。

値段を申し上げると、お買い上げくださるとのこと。さらに「能面の本はありませんか」とのお尋ねです。

店には出していなかったのですが、森田拾史郎『能のおもて』(芳賀書店、昭51)がありましたので、ご覧に入れると、とても気に入られて、これもお買い上げ。

そして「これ今日作ったところです」といって、携帯を開き、ちょっと下からあおるような角度で撮られた、「小面」の写真を見せてくださいました。

「作った」という意味を一瞬測りかねましたが、「ご自身で打たれたのですか」と聞くと、嬉しそうに「はい」と答えます。驚いて質問を重ねると、老能面師のもとで、三ヶ月かけて作った最初の作品だとか。

それ以前から創作浮世絵の彫りと刷りも、学んでいるそうで、小店に飾っている銅版画、木版画にも興味を示されました。

特に賢治は英訳もされたとかで、伊藤卓美さんの木版画「鹿踊りのはじまり」を一枚お買い上げ。見る人が見れば、その良さが分かるのですね。

konoinfo at 19:30│Comments(0)TrackBack(0)

トラックバックURL

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。

12月31日から1月3日まで
休業いたします
Profile

河野書店

Archives