2012年06月11日

ごまめの歯ぎしり

店から出て行く二人連れ学生さんの一人が、もう一人に向かって「Am*z*nがなければ買うんだけどな」と、いかにも残念そうに話す声が耳に届きました。

その時、無性に腹立たしい気分になったのに、自分でも驚きました。そして何故だろうかと考え、やがて気がつきました。

およそAm*z*nなどというものが蔓延って以来、自店の本に値を付ける際にも、その価格を参考にせざるを得なくなっています。そして、殆どの場合、そのサイトで買うより、安くお求めいただけるように、値をつけています。

つまり、小店にある大方の本はAm*z*nより安いか、Am*z*nなどでは売っていない本だということになります。

もちろん中には、品揃えのために、あまり安く出来ないものもあります。また、昔から店番を続けていて、時代に取り残された価格のままという本もあります。

そうした本は、気がつけばなるべく現在の相場にあわせるようにしていますが、ここでもAm*z*nを意識せざるを得ません。小店に限らず、値付けには、それくらい気を使っているのです。

その学生さんが、実際にある本をAm*z*nと較べてみて、小店の値が高いと、その場でお調べになったとは思えません。漠然とした思い込みで、賢い消費者ぶりを表明したまででしょう。

この店がなくなっては困るから、多少高くともここで買おう、などというご支援までは望みませんが、厳しい状況を生き抜くために、小売店が何の努力もしていないなどと思っておられるなら、それは世の中というものを知らなさ過ぎます。

ただ、本当に本を探し、本と接していく人なら、CA3K0274いずれそのあたりは理解していただけるでしょう。しかし、必要な時にネットで探すだけで事足りるという人に、その辺りを分かってもらうのは今後とも難しいかも知れません。そこが、なんとも腹立たしいのでした。

konoinfo at 20:24│Comments(0)TrackBack(0)

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