2012年07月28日

あやうく無駄アセ

暑い盛り、いざ出かけるばかりとなったとき、ミセスCが「今日じゃないよ」と、声を上げました。

机の上に広げてあった、「平成24年(第67回)南部支部総会開催通知」を見て「ここに行くのでしょ」と言うのです。ヒゲを剃って、着替えてと、外出の段取りを始めたところでありました。

改めて通知に目をやると、「日時 平成24年7月29日(日)午後2時開会」とあります。確かに今日ではなく、明日の日付。

お昼前にこの書類を広げて、確認したのは開会時間だけ。午後2時、いつも通り。日にちの方は、例年通り7月の最後の土曜日だと思い込んでおりましたので、何の疑いも持ちませんでした。

思い込みと言うのは怖いものです。指摘されなければ、大汗を掻きながら、無人の五反田南部地区会館まで、ノコノコ出かけるところでした。

思い込みと言えば、岩波書店『図書』6月号で、面白い論考を読みました。「からごころ」の文学――『枕草子』を読み直す、という一編です。

秋は夕ぐれ。夕日のさして山の端いと近うなりたるに、からすの寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。

この有名な段落の「山の端いと近うなりたるに」が、夕日の位置を言うものだという通説に対し、夕日に照り映えて、山が近く見えることをいうのだという異説の存在を紹介し、もう一度見直しても良い説ではないかというのが、同稿の主旨です。

CA3K0284言われてみると、確かにそんな気もしてきます。どちらでもいいような話といえばそれまでですが、山が照っているのか、陰っているのか、カラスは逆光か順光か、まるで違う映像になります。

日本美の定型にもつながる話。先の議論を、聞きたいものです。

konoinfo at 18:37│Comments(0)TrackBack(0)

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