2012年07月30日

塚本哲三 who?

額に汗をにじませて、新米の後期高齢者といったご年輩のお客様が、店に入ってこられました。

ふた月に一度くらいの頻度でお越しになる、お馴染みさんです。たしか電車でも一時間以上はかかる、他県にお住まいのはず。この暑いのに、ご熱心なことです。

毎回じっくりと棚をご覧になり、必ず一冊、二冊は、お買上げくださいます。語学にご興味がおありのようで、ラテン語の古い学習書などにご興味をお持ちです。

今日は、最近置き場所を変えたばかりの聖書コーナーに積んである本の中から、オランダ語聖書を一冊抜き出して、お買上げくださいました。色々な言語の聖書を集めたいお気持ちがあるようですが、この本のように500円くらいの値段ならという条件付き。

急がずゆっくり探して回るのが愉しみ、ということのようです。予算に大小はあっても、こうしたブックハンターとも言うべき方が、昨今ますます稀少になっています。

古書会館で毎週開かれる即売展などは、そうした方々のメッカであるわけですが、そこでも来客数の減少が嘆かれています。総本山にしてそれですから、翩々たる末寺に閑古鳥が鳴くのも、当然なのでしょうか。

もっともお客様側からすれば、減ったのは狩人ではなく獲物の方だと仰るかもしれません。

CA3K0339このお客様、うずたかく積まれた未整理の山に『新訂漢文解釈法』(有朋堂書店、昭和2年)を見つけられると、それを手にかざして「この著者の経歴について、何かご存知?どうしたら調べられますかね」。

「塚本哲三」というその名に見覚えくらいはありますが、もとより何者であるかは存じません。昭和前期に漢文を学んだ人の多くが、この著者のお世話になったはず。「だけど、どこにも何も書いてないんです」

早速ネットで検索して見ましたが、分かったのは膨大な著編書があることくらい。webcat に出ていた生没年(1881-1958)をお教えすると、「いや、それだけでも有り難い」と、礼を言ってお帰りになりました。

どなたかご存知ありませんか?

konoinfo at 19:30│Comments(2)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

1. Posted by まさこ   2012年07月30日 19:58
毎日小さなドラマがあり、読むのが楽しみです。
2. Posted by 客の一人   2012年07月31日 02:10
たまにうかがっては、五六冊の洋書などを買って行くものです。
塚本哲三ですが、考へ方研究社という会社を藤森良蔵とともに主宰し、『考へ方』という雑誌を刊行していました。不確かですが、旧制高校の教師だったと聞いたこともあります。
少しでも参考になればと思います。

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