2012年08月25日

エフェメラ連想

本の間には色々なものが挟まっています。大別すると出版社が挟み込んだものと、読者が挟んだものに分けられますが――。

大きく構えすぎました。この調子で始めると、簡単に収まりがつきそうにありません。今日は、ふと見つけた絵ハガキ大のビラから思い浮かんだあれこれをお話したいだけ。

イメージ (78)何の写真だろうと見てみると、ルネ・クレールとあります。「現代フランス映画の巨匠」とのキャプション。実は横判二つ折りになっていて、開くと出版案内なのでした。

Vom Stummfilm zum Tonfilm (1952).というのが、その本。見たことはありませんが、あまり珍しいものではなさそう。しかし日本語訳は出ていませんし、そればかりかドイツ語以外の版は出ていないようです。ちょっと不思議といえば不思議。

こうしたエフェメラの、特に出版情報に関わるものを熱心に集めておられたのが谷沢永一さんでした。日本のものに限られていたようですが。

出版見本や、出版予告が、それだけで「日本の古本屋」に出ているのを見かけることがあります。言うならば、谷沢さんの教えかもしれません。

谷沢さんといえば、蔵書家としても知られた方ですが、阪神大震災後にその蔵書を大量に処分されたことは、業界でも話題になりました。ご本人も、あちこちに書かれた筈ですから、世間でも周知の事実でしょう。

ただし、これもご本人自ら仰るとおり、稀書、珍籍の類は多くありませんでしたし、本の状態にもあまり拘る方ではありませんでしたから、処分を任された京都のA堂さんは、大変だった筈です。思えば古本洪水は、あの頃から始まったのかもしれません。

しかし、それで本を買うことを止められた訳ではないので、またぞろ相当な量が溜まっていた事でしょうが、東日本大震災を見ることなく、確かその数日前に、お亡くなりになられたのでした。


konoinfo at 18:25│Comments(0)TrackBack(0)

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