2012年08月28日

1冊単位で「紙の本」

「電子書籍と紙の本、相乗効果 出版社の役割は変わらない」

CA3K0357そんな見出しの記事が、朝日新聞の昨日(8月27日)の朝刊に載っていました。インタヴュー記事で、語っているのは講談社・野間省伸社長。小学館の相賀昌宏社長とともに、日本の出版産業におけるキーマンと目されているのは周知の通りです。

その野間社長は、電子書籍に対する積極的な取り組みを打ち出してきました。短い記事ですが、その中で聞き手である記者は、電子書籍と紙の本の共存が可能かと、問うています。それに対する――

「『電子化で紙の本が売れなくなる』という社もあるが、そんなことはない。やってみたら相乗効果があると分かった。(後略)」

という答えは、心強く響きます。その上で、電子化に積極的な出版社が少ないことを残念がっておられます。ただ、その続きを見ると――

「ネット書店ではまれな、本との偶然の出会いもリアルな書店ではしばしばある。近い将来、リアル書店の店頭で、紙の本も、電子書籍も簡単に購入ができ、紙の本が絶版の場合でも、『オンデマンド印刷』で1冊単位から紙の本が買えるようにしたい」

当然のことながら、古本、古書との相乗効果を考慮されたお話ではありません。

それはともかく、ここで語られている1冊単位からの「紙の本」は、どんな姿をしているのでしょう。あのエスプレッソブックマシーンから出てくるような、無味乾燥なものでしょうか。それとも色々なメニューボタンがついて、紙の種類やら、版の組み方やら、さらには好みの装丁が選べたりする程度のブックマシーンなら、いずれは登場すると考えておられるのでしょうか。

「紙の本」というのが、ただ紙に刷られているというだけのことであるなら、電子書籍に取って代わられるのに、それほど時日を要しないでしょう。しかし、それだけではない何かが、出版という工程を通じて生まれた「紙の本」にはあって、それこそが本屋を生きながらえさせるのだと、信じたいところです。

konoinfo at 19:32│Comments(0)TrackBack(0)

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