2012年09月27日

大市見学記

CA3K0374午前中に、一新会大市会を「見に」行ってきました。

もちろん会場に入ってすぐに入札用紙を手に取り、ペンも携え、欲しい本があれば入札する気構えで、四階から順に三階、二階、そして地階と見て回ったのです。

まるで入札しなかったとは申しませんが、これなら落札できるというような自信のある札は、結局一つも入れられませんでした。結果的に、見てきただけということになりそうです。

点数は集まり、会場はそれなりに埋まっておりました。ただし、近頃の出来高は地階の高額商品の結果如何。その手の商品に疎い店主としては、全く予測が付きません。しかし去年より良いのではないか、というのが無責任、かつ無根拠な感想です。

地階の赤い毛氈が敷かれた最終台には、洋書も数点乗っていました。その中に Kircher の China Monumentis が一冊、さりげなく置かれていました。

封筒を見ると「一頁切れ」と注意書きがあります。思わず紙が挟まれた箇所を開いてみると、切れているわけではなく、折り込んだ端がでているだけ。洋書のことを知らない荷主さんによる「ウブイ」出品なのか、あるいはそう見せる作戦か。

もっともその本に興味を示すような同業は、それが「切れ」でないことなど先刻承知。ちょっと冷やかしに札を入れたところで、落札できる気遣いはありません。参戦を見合わせました。

もう一つ目を奪われたのは、三階の壁の一画を占領するように積まれたミステリー140本という口。冊数にすれば約3000冊。封筒には「内藤陳旧蔵」と記されています。

亡くなられたのは、確か昨年末のこと。タバコのヤニで黄色くなったようなものもあり、確かに氏の蔵書らしい。これで全部とも思えませんが、果たしてどんな値がつくのか。

それより驚いたのは、会場で近くにいた30代の同業何人かに問うと、その名を知らない者が多かったことです。ましてやトリオ・ザ・パンチのことなど。

昭和も遠くなりました。

konoinfo at 19:30│Comments(0)TrackBack(0)

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