2012年09月29日

コンテンツの衝撃

偶然TVのチャンネルを操作していて、BSフジの『コンテンツビジネス最前線 ジャパコンTV』という番組を、そのタイトルに惹かれてしばらく見てしまいました。

RIMG1429「インターネットビジネスも、結局はコンテンツの勝負」などという話を、解ったような顔をして聞いていたのは今から16、7年前、古書組合が大日本印刷、三菱商事との三者で「日本の古本屋」を実証実験としてスタートさせようと模索を始めた頃です。

組合へ飛び込みでアプローチをかけてきたDNPの担当者が、その頃からキーワードのように、「狙いは古書という豊富なコンテンツ」と繰り返していたのも印象に残っています。

昨今では「出版もコンテンツビジネスの一つである」という言い方もされるくらいですから、後学のためにちょっと見ておこうかという気持ちが働いたのかも知れません。

衝撃でした。店主の全く知らない世界が紹介されていました。アニメを原作としたミュージカルが幾つも上演されていて、その中でも、ミュージカル「テニスの王子様」(通称「テニミュ」)などは、最初の公演から約10年、140万人の観客を動員したという話です。

「マンガ、アニメは世界市場を狙えるコンテンツ商品だ」というのが番組のコンセプトのようですが、映し出されるミュージカルの出演者、観客は言うまでもなく、制作側の人々まで、実に若い。

「時代遅れ」という言葉を、自嘲気味に使ったりすることはありますが、そんな生易しいものではない、強烈な隔世感を抱かされたのでした。

この衝撃、渋谷の街で、ビルのガラスに映った人混みの中に、自分自身の姿を見つけた時の気分と、よく似ています。

こちらがそう感じる以上、先方だって同様な筈で、本、それも昔の本を売るなどという営為を、果たしてあの人々に理解してもらうことは可能だろうかと、考え込んでしまいました。

konoinfo at 18:30│Comments(0)TrackBack(0)

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