2012年10月30日

埋蔵洋古書

洋書会の当番も今月は今日が最後。つまりは月末。話がそちらへ向かうと暗くなりますので、ともかく市場のお話から。

今日の出品量は決して多くはありませんでしたが、それぞれに面白い口でした。その中でも、せいぜい200冊ほどのフランス書の口。いわゆる仮綴の、紙もヤケた、普通は敬遠されがちな本ばかりの口でしたが、何冊かの本を手にとって見るうちに、出所が興味深いことが分かりました。

そこで、改めて丁寧に見ていくと、一冊、これはという本が見つかったのです。Ernst/ Eluard, A l'interieur de la vue. P. Segher, 1948.

仮に、店主が見つけなくて、山の中に入ったままだったとしても、入札者の誰かが見つけて、しっかりした札を入れたかもしれません。そして、発見者が複数名いれば、山の中の一冊をめぐる駆け引きから、もしかしたらかえって高くなったかもしれません。市場というところはそういうところです。

しかし一旦、仕分けの目で見つけた以上は、そのまま放置しておくわけにはいきません。一冊だけを別にして封筒をつけ、最終台に置きました。

結果、飛びぬけた札を入れた業者の下札(安値)で落札されましたが、落札価格は公平に見て、十分妥当なものでした。二番札は、そのすぐ近くに迫っておりましたし。

限定610部という、限定本としては多い部数の割りに、戦後すぐの出版と言うこともあって、あまり出回っていない本ですが、そんな本を日本人が持っていたということは、一層の驚きです。エルンストの銅版画がことのほか良い雰囲気の、美しい本でした。

ernstところがさらに驚いたことに、そんな珍しい本が、実は一年半ほど前の明治古典会に出ていたのです。そのことを店主は、迂闊にもまったく知りませんでした。明古の同僚から教えられ、そのときの落札者である日月堂さんのブログを見て、なるほどと知ったわけです。

そこから書影をお借りいたしました。わが国内の埋蔵洋古書、恐るべしです。

konoinfo at 19:30│Comments(0)TrackBack(0)

トラックバックURL

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。

Profile
Archives