2013年02月20日

電話する人しない人

「ちくま学芸文庫の×××という本の第二巻はありますか?」というお尋ねに、反応するのに少し時間がかかりました。

「ネットか何かでお調べになったのですか?」「そうです」

いつも申し上げているとおり、概ね1000円以上をネット販売の基準としております。品切れの文庫でも同様。端本の場合など、ただ棚に差しても、そうそう売れませんから、ネットに上げるに限ります。

ところが、保管場所のどこをどう探しても、この本が見つかりません。お客様(女の方)は「このためにわざわざ来たのに」と、ややご機嫌斜めです。

しかし店を放っておいて、いつまでも探し回ることもできませんので、申しわけありませんと、お引取りいただきました。

ただせっかくですのでネットを検索して、小店より安く売っているところを見つけてお知らせすると、先刻ご承知で、送料を考えれば同じことだからと、お越しいただいたということでした。

CA3K0620重ね重ね面目のないことでありましたが、小店の「注文品売り切れ」によくあるパターンの一つが、この方のように直接お尋ねいただいてのお買上げで、ついデータベースから削除し忘れてしまう場合です。

もうひとつは在庫場所を動かしたのに、記録しておかなかったという場合もあるのですが、そうなると、とてもお待ちいただいている間に探し出すことなどできません。

いずれにせよ、小店の不始末には違いありませんが、そんな具合ですので、どうかお越しになる前に、メールなりお電話なりいただきますようにと、改めてお願い申し上げる次第です。

と書く間に、電話が一本ありました。

「そちらに『蟹工船』はありますか」

初版本とか、ある特定の版をお探しというわけではないようです。席を立って文庫棚の前に行き、あればこの辺りというところを確かめてから「残念ですが」とお返事いたしました。

konoinfo at 19:30│Comments(0)TrackBack(0)

トラックバックURL

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。

12月31日から1月3日まで
休業いたします
Profile

河野書店

Archives