2013年03月22日

出所来歴

CA3K0650久しぶりに大きな一口が、明治古典会に出ました。カーゴ16台。大雑把に1台あたり500冊と考えれば、約8000冊の蔵書です。

量よりも話題となったのは、その出どころ。今回事情があって、積極的に旧蔵者名を公表しましたので、余計に注目されました。

昨年末に亡くなられた、作家で文学者の丸谷才一さんが、その旧蔵者です。仕事場としておられたマンションから、運び出されたものと聞きました。

あえて公にした理由というのは、資料として使われた本がかなりを占め、そうした本は函やカバーもとられて、中には線引きもあるなど、保存状態がよくないからです。

要するに、普通なら値がつき難い。ただそれが丸谷さんのものであると分かれば、そこに価値を見る本屋も出てきます。結果的にその戦略は功を奏したといえるでしょう。

なにより、来場の業者の数が、いつもより多かった。そして、その口には札も多く入っていました。

専門書(多くは国文学)は状態が悪く、きれいな本はほぼ一般書という点から考えれば、まあ良い値段になっていたと思います。

ただ、最終台に乗せられた開高健『Fish on』30部限定本、和田誠版画『六星座』非売20部、この2冊の落札価格だけで、全体の2割。つまりこの手の本がもっと含まれていれば、全体の出来高は、はるかに大きなものとなったでしょう。案外大物は少なかったのが、残念といえば残念です。

店主も何点か入札しましたが、落札できたのは一点のみ。翻訳詩集の口ですが、特に書き入れなどはなさそう。もっとも書入れといっても、ほとんどが傍線のみだったようですから、それを丸谷さんのものであると「売り」にするのは難しいはず。

そんなことは承知の上で、「一口物」といえば燃えるのが本屋なのでした。

konoinfo at 23:00│Comments(0)TrackBack(0)

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