2013年07月22日

三本の鍵

今朝店に着いて車を止めると、一緒に乗ってきた娘が「鍵を」と手を出します。店の鍵です。

本人も一本持っているはずですが、忘れてきたらしい。「そこのバッグの中にあるから」と告げて先に車を降り、店の前のラティスを移動させていたところ、何時までも探っております。

「ちょっとかして」と自分で改めてみたところ、確かにありません。そういえば昨日店を閉めるとき、たまたま家人が一緒で、鍵を渡して閉めてもらったことを思い出しました。

そしてそのまま受け取らなかった。ということは、つまりは家人が持ったままということです。

携帯をかけて見ると、まだ家におりました。これからすぐ自転車で出てくれると言います。仕方なく、そのまま30分余、店の前で片付け仕事を見つけて時間を潰しました。

実はこういう時のために、もう一本、いつも車の中に鍵を置いてあるのですが、それがまた、前日たまたま店を開けるのに使って、机の中に入れたままだったのです。

偶然が重なったには違いありませんが、なんとも締まらない(閉まったまま開かないのですが)話でありました。

     *   *   *   *   *   *

話題を変えましょう。Lang の本の一冊に付いていた、素敵な蔵書票。本自体は、ありふれたMacmillan版の The Odyssey of
Homer, 1906(1879初版)で、しかも紺色の表紙がところどころ虫にやられて剥げていたりして、殆ど値打ちはありません。

RIMG0457かといって、この蔵書票だけ剥ぎ取る気にはなれません。これはこのまま、気の済むまで手元に置いておくつもりです。

ちなみに Vivian de Sola Pinto という人は、研究社『英米文学辞典第二版』によれば、17世紀を専門とする英文学者。しかしWikipedia によれば、詩人でもあり、ロレンス研究の第一人者との紹介もあって、こちらの方が、この蔵書票の持ち主らしい感じがします。

konoinfo at 19:30│Comments(2)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

1. Posted by anonymous   2013年07月22日 20:27
すてきな蔵書票ですね。どこかで見た図のような気がして探してみたら、アテネ考古学博物館の白地キュリクスが図像源のようです。↓
http://lessingimages.com/viewimage.asp?i=03050616+&cr=23&cl=1

ところで私はこの図を「レダと白鳥」だと思い込んでいたのですが、蔵書票にAPRODITHと書かれていたので、慌てて拡大写真を見たら、とても小さな字で確かに「アフロディテ」と書かれていました。↓
http://lessingimages.com/viewimage.asp?i=03050616+&cr=23&cl=1#

参照した写真アーカイヴでも「レダと白鳥」となっていたので、勘違いしている人は少なくないかもしれません。勉強になりました。
2. Posted by anonymous   2013年07月23日 02:24
追伸:同じ画家・同じ図像の作品が大英博物館にもありました。図像源はきっとこちらですね。↓
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Aphrodite_swan_BM_D2.jpg

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