2013年07月24日

一瞬の海

昨日の午後、殆ど雨に濡れず市場から店まで帰りついたということは、すでにお伝えしたとおりです。

昼過ぎから、何度か強い降りに見舞われた神保町界隈は、午後4時頃には、ほぼ小止みとなっておりました。

置き傘もあったのですが、あえて手にせず帰路に着いて、渋谷駅で井の頭線に乗り換えようと渋東シネタワービルから地上に出ると、雷鳴がとどろき、地面は雨のしぶきで白くなっております。

そこからビルの裏手に出て、狭い道路をひとつ渡れば、あとは駒場東大前駅までの間、濡れることはありません。しかし、その僅か数メートルを走る気も失せさせるような降りでした。

そこで、バッグに入れていた文庫本を読みながら、ビルの中で降りがおさまるのを待つことにしたのです。

CA3K0693 - コピー10分、もう少し経ったでしょうか、急速に雨脚は弱まり、歩いて数歩の道を渡り、井の頭線の電車に乗って店に帰ることが出来ました。駒場に着くと、傘もいらないほどに、上がっておりました。

しかし店の前は、本棚がずっと奥まで押し込められていて、店内にも何台か入れてあります。普段はおっとりした店番のΧ君が、やや興奮気味に、降りの凄さを語ってくれました。

それによると、店主が会館を出た午後4時頃から、まるで夜になったかと思うほど空が暗くなり、やがて表が真っ白に見えるような雨が降ってきたというのです。

雨に備えて一応は引っ込めてあった本棚にも、たちまち水しぶきがかかり始め、慌ててさらに奥へしまいこんだというわけでした。

当然のように売上は最低の一日でしたが、被害が出なかっただけ、まだましだと思わなければなりません。

夜、家に帰ると家人から、お隣と筋向いの二つのビルの地下に水が入り、大変な騒ぎだったと聞かされました。今は人工河川となっている近くの呑川が氾濫し、やや低くなっている我が家の周り一帯は「まるで海のよう」になったと言います。

そんな目黒、世田谷のゲリラ豪雨も、さしたるニュースとして取り上げられることはありませんでした。それは、もちろん幸いなことでありました。

konoinfo at 19:30│Comments(0)TrackBack(0)

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