2013年10月13日

感情表現力

「電話貸してもらうことってできないですか?」

RIMG0610こうして文字にすると、それほど違和感もありませんが、店に入ってきた中学生くらいの少女から、そう聞かれたとき、なにか妙な感じを受けました。

こちらに貸す意思があるかないかを尋ねられているようで、借りたいという切実さが伝わってこなかったからでしょうか。「どうしたの?」と、つい聞き返しました。

「携帯持ってなくて、親とはぐれちゃったんで、連絡取りたいんです」

やっぱり困っているのでした。公衆電話を探していたようです。小銭を手のなかでチャラチャラ言わせています。

「どうぞ」といってハンディ端末を渡すと、慣れた手つきで番号を押し、やがて繋がったようで、待ち合わせる場所を打ち合わせていました。

「連絡取れました」と端末を返し、そのまま出て行きました。もちろん受け取るつもりはありませんでしたが、手の中の小銭を差し出すという考えは、なかったようです。

よく考えてみれば、人にものを頼むということは、かなり経験を必要とする行為です。少女が、「大変厚かましいお願いですが、ちょっと電話をお貸しいただけないでしょうか」などど言ってきたら、その方が不気味かもしれません。

これからの人生で、感謝の表現についても、それが言葉だけではないということを含めて、いくらも学ぶ機会があるでしょう。ただ中には、そんな機会に恵まれないまま、大人になってしまったような方も、おられることも確かですが。

連休中日、親子連れの目立つ一日でした。

konoinfo at 18:30│Comments(4)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

1. Posted by 通りすがり   2013年10月13日 23:32
以下のケースと酷似しています。http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10112942365
2. Posted by 店主   2013年10月14日 17:46
コメントありがとうございます。
しかし、似たところがある、というくらいではないかと思いますが、いかがでしょうか。
すくなくとも店主、怒っているわけではありませんし。
初めから鈍感力が強いせいでしょうか。
3. Posted by 通りすがり2   2013年10月15日 23:56
とはいえ、明確に愚痴のトーンは感じます。
こんなところに書くよりも、直接、本人に言ってあげた方がずっと親切というものではないでしょうか。
4. Posted by 店主   2013年10月16日 18:53
どうも、いつも愚痴に聞こえるようですね。反省。

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