2013年11月23日

理想の終活

現役最長老として活躍されていた同業のNさんが、米寿を迎え、さすがに体力の衰えを感じられたこともあり、いまどきの言葉でいえば「終活」を始められました。ついに後継は、得られなかったのです。

ご自身が二代目のはずですから、その在庫は、質量ともに、膨大なものになります。

もちろん、長くやっていれば残るというものではありません。Nさんは、自らの才覚により、おもに目録販売、即売展などを通じ、業界でも有数の書店として名を成されました。その商売の過程で蓄積された在庫なのです。

目下、それが収納されている倉庫を整理しながら、漸次、交換会に出品していくという作業に入っておられ、Nさんと縁の深い複数の後輩同業が、その差配を任されています。

その一人の言葉によれば、全部でカーゴにして500台になるだろう、ということです。今のところ月にカーゴ15台ほどのペースですから、このままだと、3年近くかかる勘定になります。

RIMG0665もちろん、こうした作業の常として、まず雑多な、整理や仕分けに一番手間がかかる、いわゆる不良在庫から片づけを始めています。この先、質が上がるとともに、作業のペースも上がることでしょう。

しかし驚くべきは、そんないわば売れ残り品でさえ、丁寧に仕分けて市場に出品されると、結構良い値になっていることです。

本自体、最近では見かけなくなった、珍しいものが多く含まれているということが、一番の要因ですが、大雑把にまとめて出品されれば、ここまでの値にはならないはずです。

市場の意味を知り抜いているNさんならではの、賢明な在庫処分法と言うべきでしょう。

実際、交換会を運営する側にとっても、出来高が上がることによって恩恵を受けますし、入札する身にしても、欲しい本だけ買えるほうが有難いのは言うまでもありません。

誰にとっても良いことずくめに思える終活ですが、ただ差配を任されているご当人たちは、ややお疲れの様子です。

konoinfo at 18:30│Comments(0)TrackBack(0)

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