2013年11月28日

水のように本を売る

国立国会図書館のデジタル・ライブラリー化は、着々と進行しているようです。

これによって予想される出版関連産業への影響が、民業圧迫でもあるという非難に配慮してか、同館のHPにおいて、販売されている書籍検索サイトへのリンクが、目立つようになりました。

といっても、まだかなり深い階層に遠慮がちについているだけで、それが目に入るのは、関心をもってその推移を見守っている、関係業界の人間だけかもしれません。

小なりとはいえ圧迫される側には違いない、わが古書業界としても、先の長尾館長の時代から、より積極的に同館との連絡を取り『日本の古本屋』へのリンクが、少しでも条件の良い位置に表示されるよう、交渉を続けてきました。

今日の『日本の古本屋』事業部会議では、議題の一つとして、その最新の経過報告が伝えられたのです。

まだ、ここでお伝えできるような具体的な話はありません。ただ事業部長が、その報告で使った喩えが面白かったので、つい、ここに書く気になりました。

曰く「水道が引かれたらペットボトルの水は売れなくなる。せめてペットボトルの広告くらい出させてくれても」。

RIMG0683いずれ将来、個人のPCからでも、自由に国会図書館のデジタル書籍へアクセスできるようになるに違いない、ということを踏まえての発言です。

もちろん単なる喩えですから、つじつまの合わないところはあります。実際、水道とペットボトルの関係は、現実の社会では逆の立場で進んできたわけですから。

しかし、その現実を範に取れば、ペットボトルのように、書籍を売ることだって可能かもしれないと、店主などは淡い希望を持ったのでした。



konoinfo at 20:03│Comments(0)TrackBack(0)

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