2013年12月25日

泣かされる本

良い本だと思うのに、その割にネットで調べると安い値段で沢山出ている。そういう古本屋泣かせの本があります。

出版社で言うと例えば晶文社、青土社といったあたりの本。なぜそれが古本屋泣かせかと申しますと、何となく買い叩くのに気が引けて、それなりの評価を付けてしまう。

いざ買い取ってから、値付けの参考にとネットで調べると、大抵は予想していたより、さらに安い価格が付いているのです。

もっともみすず書房や、法政大学出版会の本だって、少し時間のたったものはかなり値崩れしています。絶版、品切れだからといって、高くなるとは限りません。古書市場にはまだ在庫が十分残っているからです。

RIMG0779岩波、東大出版会、数え上げたらきりはありませんが、学術系の本の場合は、改訂版、新版が出たりすれば、もうどんなに値下げしてもお客様に見向きもされません。

最後のケースについては如何ともしがたいですが、自分でも読んでみたいと思うほどの本については、あまり投げ売りのような真似はしたくない。

そう思って大事に棚に挿していくうち、次第に動きの少ない、澱んだような棚になりがちです。

本当は、そんな澱みの静けさも古本屋の魅力だとは思うのですが、それで食べて行けるような時代ではありません。つい頻繁に浚って、流れを良くすることを目指すことになります。

その結果、ますます落ち着いて読者を待てず、値崩れが加速するわけです。安くしたからといって、売れるとは限らないのに。

昨日、若い女性がお売りくださった中にあった『装幀時代』(臼田捷治 1999年)『読書欲・編集欲』(津野海太郎 2001年、いずれも晶文社)の2冊。そこからこんなことを思ったのでした。

konoinfo at 19:30│Comments(0)TrackBack(0)

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