2014年01月17日

老人途上

明古の一日を終えて、つまり、いつもの仲間との食事も終えて、神保町の駅から乗った地下鉄の中で、おもむろに文庫本を取り出して読もうとして、メガネがないことに気が付きました。

RIMG0844一番可能性が高いのは、後にしたばかりの中華料理店「三幸園」への置き忘れ。しかし、途中で落とした可能性もないとは言えません。

むきになるほど高価なものではありませんが、まだ買って間がない老眼鏡です。あれば儲けものというくらいの気持ちで、一応、明日にでも店に連絡してみようかと思います。

年のせいで、といいたいところですが、忘れ物が多いのは注意力散漫な性分によるもの。今に始まったことではありません。

しかし先週も明古の新年会に向かうため、仲間と一緒に会館を出て、会場に着いたあとで携帯を置き忘れたことに気づき、折よく頼める人がいたおかげで、事なきを得たばかりです。

年のせいで、頻度が増していることはあるかもしれません。

読もうとしていた文庫は後藤宙外『明治文壇回顧録』。昭和31年の河出文庫で、紙は茶色く変色しているうえ、活字も小さく、句読点や行替えも少ないため、メガネをかけても読みにくい。

それでも、先日読み始めたところ意外に面白く、今日の往復の車中でも読み継ごうと、カバンに入れたのでした。

今頃、こんな本を読んでいるようでは、明治古典会会員を名乗るものとしては、不勉強と嗤われそうです。

しかし今だから面白く読めるので、若い頃読んでも、無理に勉強させられているような気分になったことでしょう。

ちなみに昭和8年という執筆時、宙外は66歳。そう知って読むと、一層距離感が掴みやすい気がします。

konoinfo at 22:46│Comments(0)TrackBack(0)

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