2014年01月22日

最後の片づけ

RIMG0846午後から立教大学の研究室へ本の引き取りに出かけ、休みなしで2時間半ほど積み出し作業。夕刻、店に帰りつくと、もう何をする元気も出ません。

昨日の洋書会の14本口を、同業にお譲りして本当に良かった。

若くして忽然と世を去った小店の古いお客様の、新築間もない自宅、書庫として使っておられたアパート、そして今日の研究室。昨年から引き続いた片づけの、これが最後です。

部屋の両側の壁に作りつけられた棚から、日本書、英仏語の洋書、中国書と分けて抜き出し、運送屋さんが順次カーゴに積み込むと、満載にして全部で5台。

故人が生前蓄えた書物は、今回でそのほとんどが、古書の海に放たれることになります。

彼が意図した次第ではありませんが、この措置に、決して不満を持つことはないでしょう。

彼にとっても師の一人である由良君美先生は、自ら集めた蔵書は、死後残すことなく世に還すよう、遺言されたと聞いています。(この遺言は、残念ながら果たされずじまいで今日に至っているようですが)

ともあれ店主の記憶の中では、まだ青年の面影を残したままのN君(敢えてそう呼びます)は、その膨大な知の集積を咀嚼し、ようやく何かを紡ぎだそうかというところに至って、この世界に見切りをつけたのでした。

今回の蔵書整理を店主のところに持ち込んだ、N君の先輩であり友人である人と二人して、何度もため息をつきながら、主のいない、そして今ではその証もなくなった研究室を後にいたしました。

もちろんまだ仕事は残っております。市場で簡単に売れる本ばかりではありません。小店が引き取って、ゆっくり時間をかけて売ることになる本も、多いはずです。

ですから今日の疲れには、ただ2時間半の作業の疲れという以上のものがあるのです。

konoinfo at 19:30│Comments(0)TrackBack(0)

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