2014年01月23日

ある探求書

昨夜、ご近所にお住いのMさんが、「しばらくぶり」と言ってお立ち寄りになりました。開業当時の店には、時々お寄りいただき、一度か二度、本をご処分いただいたこともある方です。

ご父君が、長く教科書として使われた数学書の著者として知られる、元東大教授。しかし、そのご蔵書は疾うに、しかるべく整理された後で、小店で買い取らせていただいたのは、ごく一般的な本であったように記憶しています。

そのMさん久々ご来店の目的は、一冊のご探求書についてのお尋ね。メモ用紙をお渡しすると、そこに書かれたのは『速成ロシア語自修』という書名と、その著者名「伊藤職雄」という文字。

「出版社は分かりません。この名前は、『もとお』と読みます」

なんでもMさんの叔父にあたられる方だそうで、「こんな本を出していることを全く知らなかった。ぜひ一度見てみたい」というのがお探しの理由です。

聞いたことがあるような書名ですが、似たタイトルの本も多かろうと、お帰りになった後、ひとまず検索をかけてみました。

『日本の古本屋』には、該当する本はありません。CiNiiで調べると、「速成」のない、『ロシヤ語自修』(第三書房1941.3改訂版)という本が一点見つかりました。

さらに国立国会図書館(NDL)サーチで調べたところ、ようやく一点、名古屋市鶴舞図書館にあると出ました。外語学院出版部で刊年は同じ1941。

NDLには「速成」のない本も登録されていますが、こちらは第三書房で1946と戦後の刊行になっています。別に1948という刊年のものも登録されていて、どちらも「訂再版」と表示があります。

いずれにせよ、なかなか手に入りにくそうな本のようです。RIMG0596かつて小店で『速成露語自習書』という本を扱った記録があり、聞いたことがあると思ったのは、そのためでしょう。

ところで、Ciniiには著者名に読みがあり、これに「イトウシキオ」とありました。こういう難しさがあるからか、NDLには著者読みは表示されていません。

konoinfo at 11:39│Comments(0)TrackBack(0)

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