2014年01月29日

近くて遠い

「近くまで来たので」と言って、お立ち寄りくださったのは「古本 海ねこ」さん。

言わずと知れた、絵本・児童書をご専門とされて今一番、元気のある古本屋さんです。

「あんないい本を表に出しといていいのですか」と、ご心配下さったのは、店の入り口横の絵本棚。

プロから「いい本」と言っていただいて、ちょっと鼻が高いのですが、そこに置いてあるのは、もちろんヴィンテージ系の本などではなく、いわゆる名作絵本で、多くは今も新刊で手に入る本。

つまり内容の優れた本ですが、価格はそれほど高くない。ただ、きれいで状態の良い本を置くようには、心がけております。

市場などではまず手に入らず、専らお客様からの買い取りが頼みの綱ですが、そうそう良い買い物があるわけではなく、在庫の目減りは大きな不安の種です。

RIMG0866「海ねこ」さんが駒場に来られたわけは、日本近代文学館に調べものがあったのだとか。

目録販売を中心とされる専門書店の方々は、皆さんとても勉強家です。特に文学書系の本屋さんは、小店が駒場にあることを、とても羨ましがられます。

実際に、「海ねこ」さん以外にも、近代文学館に来られた際、小店に顔を出してくださった本屋さんは、何人もおられます。

そしてその度に、未だ一度も同館を訪れたことのない小店主は、自らの不勉強を恥じることになるのです。

開業して初めのころは、なんだか敷居が高く感じられて。のちになると、自分の商売との距離の遠さが感じられて。そうこうしているうちに、30年以上が経ってしまいました。

何より必要がなかったわけですが、今さら「見学」というのも、ちょいとこっぱずかしい。良い折でもあれば、とは思うのですが。

konoinfo at 19:30│Comments(0)TrackBack(0)

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