2014年02月24日

長年の探求書

数百から数千という数で作られたものを、いまどき大量生産品と呼ぶことはできないでしょう。

本は、年間数万点出版されるうちの、おそらく9割以上がそんな部数です。となると、もっと希少であってもいいはずなのに、大抵の本は、どこかで見つけられるように思えます。

RIMG0956他の物品と比べても、残存率は極めて高いのではないでしょうか。しかも、お金さえ出せば手に入る。つまり商品として存在している。

もちろん、ある時代、つまり第二次大戦、さらには関東大震災以前のものは、ぐっと希少になりますから、ここでは別の話。

我々本屋からしてみれば、ちょっと珍しい本を手に入れたと思って『日本の古本屋』などを検索してみると、数件、場合によっては数十件もヒットして、がっかりすることがしばしばです。

ですから、たまに一点も出品されていなかったりすると、驚くような値をつけたくなる気持ちも、分からないではありません。

某サイトなどで、それが臆面もなく行われているのは、素人さんだから、とばかり思っていると、業者でも同様だったりします。

値下げ競争と対になって、殆どゲーム感覚なのでしょうか。店主には、それが楽しいことには思えませんけれども。

先日、店においでになった女性が、しばらく棚をご覧になった後で「ウラーノワの『バレリーナの道』という本はありますか」とお尋ねになりました。未来社てすぴす叢書の一冊です。

ネットでご覧になったか、どなたかに教えられたか、確かに一冊在庫しておりましたので、裏から出してきてご覧に入れると、「いつから在ったのですか?もう10年も探してました」と驚きの表情。

初版は1954年ですが小店の本は1979年の第4刷。ネットに上げたのは2年前、在庫に登録したのは6年前。しかし入荷は、それより何年か前のはずです。

102頁の薄い本に、付けてあった値は1000円。喜んでお買い上げくださいました。

konoinfo at 19:30│Comments(0)TrackBack(0)

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