2014年03月23日

同業の来訪

店主が古本屋になって30年以上たちますが、それは市場に通い始めてからの年月でもあります。

その間、毎週のように顔を合わせ、時には食事をしたり、一緒に旅行に行ったりさえした仲間も数多くいるわけですが、では、そのお店に伺ったことがある相手となると、案外少ないものです。

そう気が付いたのは、一昨日の金曜日、市場で、古い付き合いのI書店のNさんから、「明日、店はやってるの?」と聞かれてのこと。

やっていると答えると、夕方、訪ねても良いかと重ねての問い。もちろん断る理由はありません。土曜日なので午後6時までの営業だと告げると、ギリギリになるかもしれないがとの断り。

なんでも久我山のお客様に呼ばれていて、それが5時頃まではかかりそうで、それからになるとのこと。

RIMG1070さて昨日、そのつもりで待っていると、6時前になって、今、久我山の駅だという電話。ダメならこのまま帰るが、待っていてもらえるかと。

夕食の時間を遅くしてくれるよう家に電話を入れて、Nさんの来るのを待ちました。目的は店を見ることだというので、表の台もしまわずに。

ようやくNさんが現れたのは、さらに45分ほどたってから。「申し訳ない、すぐに失礼するから」と、広くもない店内を一巡りして、結局、椅子にも掛けず、10分ほどの立ち話で帰って行きました。

同い年ながら、店主より早く業界に入り、明治古典会では先輩会員。ただ先年体をこわし、会に迷惑がかかるからと退会しています。知り合ってからは長くとも、お互いの店は東と西、Nさんの店は荒川区。

「井の頭線に乗ることなんか滅多にないから、この機会に」と訪ねてくれたのですが、折角来てくれたのに、お茶の一杯も出せなかったのが心残りでした。

「生きてるうちに来ることは、もうないだろうな」と、帰り際にようやく本領の軽口が出たのですが、考えてみれば軽口でもなんでもない、本当のところでしょう。今度はこちらから訪ねてみますか。

konoinfo at 18:30│Comments(0)TrackBack(0)

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