2014年04月10日

判型文化論

大量の本を運ぶために、箱に詰めたり、紐で縛ったり、そんなことを毎日のように繰り返していているのが古本屋です。

宅買いに出かけて、お客様の目の前で本を縛っていくと、必ずと言っていいほど「上手いもんですね」と感心されますが、それは魚屋さんが魚を捌くような、商売上の必須作業だとご存じないからでしょう。

この「紐掛け」は、経験すれば誰でも上手になれる、それほど難易度の高くない作業ですが、それには我が国の製紙事情が大きな助けとなっています。

我が国の本はA判とB判、いずれかの決まった大きさの紙を折り畳んで作られるため、ほぼ判型が定まっているからです。

ふだん扱う本は、B6判とA5判。それぞれより少しずつ大きい四六判と菊判。あとは文庫判、新書判。出版されているのも大部分は、それらのサイズではないでしょうか。

もちろん微妙な違いはあるにしても、それらがいかに定まったサイズであるかは、外国の本を扱うと良く分かります。

英米やフランスの本は、判型をそろえて紐掛けしようとすると、一冊として同じ大きさがないのでは、と思われるくらいサイズがまちまちです。

ドイツを仲間に入れなかったのは、まだ比較的、判型が揃っているような気がするから。あくまで米仏に比してですが。出版社ごとに決まっているように思えます。ただ全体に縦長という印象。

しかし何と言ってもチャンピオンはフランスです。まるですでにあるものと同じ形に作るのを、潔しとしないかのようです。

RIMG1157その典型的な例を見つけました。先日の洋書会で手に入れた、
Samuel Beckett のMinuit 版著作一括。装丁が同一なので、余計に判型の違いが際立ちます。

日本ならさしずめ判型は揃えて、表紙のデザインや色などで、変化をつけることになるのでしょう。

ちなみにこのMinuit 版、現在までに35冊出ているようですが、1995年刊の Eleutheria まで、31冊が揃っております。

konoinfo at 19:30│Comments(0)TrackBack(0)

トラックバックURL

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。

平日午前10時〜午後7時、土日祝日は午前10時から午後6時まで、毎日営業いたしております
Profile

河野書店

Archives