2014年04月17日

ある草稿

全古書連大市会の、お手伝いに行ってきました。

CA3K0792仕事の分担表をよく見直したら、店主の担当は午後遅い時間帯の「発声」だけと分かり、それならばということで午前中は店番。

昼食も済ませ、ゆっくり古書会館に出かけると、すでに会場は2階まで開札が進んで、残すは地階のみ。(4階→地階という順に開札するのが通例です)

担当時間まで間があるので、地階会場の出品を丁寧に見て回ることにしました。

この階には一点ものや、値の張りそうなものが集められていますから、おいそれと札が入れられるものではありません。ただ見るだけ――のつもりで見ていくと、目に留まるものがありました。

ある草稿です。作家ではなく、学者さん、それも小店にまんざら縁がないわけではない方のもの。沢山の著作がある方ですが、疾うに手書きはされていないはず。

こんな字を書かれるのか、という興味から、面白半分に札を入れてみました。

やがて受け持ち時間が来てしばらく発声をし、その後は次の発声担当のお手伝いなどをしておりますと、当の草稿につけられていた封筒が回ってきて、そこには小店の名と、落札金額とが書かれてありました。

結局、今回の大市会における小店の売買は、この買い一件。何もないよりは良かったかと、引き取ってきたその草稿を眺めつつ思っております。

先ほど来、名を伏せてご紹介しているのは、この草稿の書き手がまだご存命であるからです。取引されることに、もちろん違法性はありませんが、ご本人の耳に届けば、必ずしも喜ばれるとは限りません。

村上春樹氏の例もあります。昔に比べ、肉筆物の取り扱いには、とても気を使うようになりました。そういう方ではないだろうと、思ってはおりますが。

以前、手に入れた由良先生の草稿同様、当分は店主自身の楽しみに取っておくつもりです。

konoinfo at 19:33│Comments(0)TrackBack(0)

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