2014年04月27日
青年の日の面影

ちょっと裏に本を取りに席を外し、戻ってくると、待ち受けるように帳場の前に立っておられて「河野さん、でいらっしゃいますね」と日本語で、確かめるように声を掛けられました。
驚いて見つめ返して、しかしすぐ、先方が名乗ろうとする前に、思い出しました。
「シカゴの…」そう口にしただけで、大きくうなずき、「お久しぶりです。その節は随分とお世話になりました」。
前の店の頃ですから、もう20年くらいにはなるでしょうか、当時は髪を長くのばして(とご自分でも説明されていましたが)まだ学生の雰囲気が残る青年でした。
60年代のアングラ演劇について、調べているということで、何冊かの本を買っていただいた記憶があります。とりわけConcerned theatre Japanの不揃い数冊を、とても喜んでいただきました。
お名前も、そう思い出しましたWilliam Marottiさん。やがて、母校のシカゴ大に帰ることになり、その折にも挨拶によってくださいました。
最近、単著をだされたとかで「あれが大変役に立ちました」と改めて礼を述べられます。
今回は、いくつかの大学へ特任講師として一ヶ月ほどの来日で、その合間を縫って顔を見せてくださったわけです。
「昨日は美学校で講演をしました。明日は一ツ橋です」
ちなみに近刊の書名は、Money, Trains, and Guillotines: Art
and Revolution in 1960s Japan。Duke大学の出版。60年代日本の芸術と政治、そこに焦点を当てた内容のようです。
「翻訳は出ないのですか」と尋ねると、まんざらない話でもなさそうですので、楽しみに待ちたいと思います。英語で読むのはいささか辛いですから。
konoinfo at 18:30│Comments(0)│TrackBack(0)│
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