2014年05月23日

七夕の役割

RIMG1276ご興味のない方には申しわけありません、と申し上げるしかないのですが、明治古典会の七夕大入札会というのは、業界でもちょっと変わった、ユニークな方式を取る市会です。

業者同士で売り買いする交換会には違いないのですが、公開下見会場を設けてそこに一般のお客様をお招きし、現物をご覧いただいた上で、欲しい本があれば、知り合いの業者に入札を依頼できる、というのがその方式です。

考え出したのは、業界のレジェンド、明治古典会創立者の一人、弘文荘反町茂雄氏――と、聞かされております。

今年が第49回というのですから、もう半世紀続いたわけですが、それだけでも、大した発案であったと言うことができます。もちろん、さまざまな手直しを重ねては来ておりますが。

稀覯本と呼ばれる書物の流通活性化に果たした役割には、とりわけ大きいものがありました。過去にさまざまな資料の発掘、発見で話題となったことも少なくありません。

しかし、その七夕も「そろそろ役割を終えつつあるのではないか」と、打ち明け話でもするように、今日、明古の会場で、しみじみと語りかけてきた同業がおりました。

近代文学雑誌の専門家として、業界外でも名高いHさん。かつては先輩会員として、明治古典会を盛り上げてくださった方です。

ですから、もとより批判でも、非難でもなく、古書業界の将来を案じての真摯なお言葉だと受け取りました。

そのご意見の根拠の一つとして挙げられたのは、ヤフオクなど、ネットオークションの存在。市場でまとめ買いした本の中から、ご自身の目録などでは売りにくいものを取り出して出品すると、時に驚くほどの値になることがあるそうです。

それこそは、従来、七夕の果たしてきた役割ではなかったか、というわけです。

尊敬する先輩ではありますが、にわかに受け入れられるご意見ではありません。ひとまずヤフオクなるものを研究してみよう、という気持ちになりました。

konoinfo at 22:20│Comments(0)TrackBack(0)

トラックバックURL

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。

平日午前10時〜午後7時、土日祝日は午前10時から午後6時まで、毎日営業いたしております
Profile

河野書店

Archives