2014年05月30日

端本の価格

RIMG1303月末。明日は土曜日なので、銀行は今日が月末。朝のうちに、どうやらこうやら家賃の振込を終えると、深いため息が出ました。

それから明治古典会へ。最終週の特選市で、フリ(競り)が催されます。だからというわけではありませんが、市場の様子もどことなく賑やか。

どことなく、どころではありません、はっきりと賑やか。と申しますのは、本以外に、実に様々なものが出品されていたからです。

軸物、額物などは常のこと、陶磁器や銀器などの道具類にしても、まあ、たまに出品されることはあり、驚くにはあたりません。

しかし蝶や甲虫の標本箱、サソリ、蜘蛛が閉じ込められたペーパーウェイト、水晶原石の置物、その他その他…となると、いったい本屋の市で、果たしてこんなものに買い手がつくのかと疑問さえ湧いてきます。

でも取り越し苦労。なかには面白がって、ポケットマネーで買った業者もいたのかもしれません、結構札が入り、ほぼ売り捌けたようです。さすがに、さほど高値のものは、ありませんでしたが。

本でも面白いものが出ておりました。店主が興味を持ったのは、ゼルヴォスのピカソと呼び慣わされている、Christian Zervos.
Catalogue raisonne des œuvres, 1895–1972.
その20冊ほどの一点。

全33巻34冊が揃いで、かつて1千万円を超える値で売られていたことは、聞き知っております。現在でもabebooksなどを見たところ、700万円以上の価格がついておりました。

しかし揃いではなく端本。もちろん端本でも多くは出回っておりませんが、それは逆に、揃えようとしても揃えるのが困難だということでもあります。

フリに廻されたこの一点、結局、揃いの一冊分にも満たぬ値で競り落とされていました。けれども足りない10数冊を、仮に揃えようとしたら、どれくらいの費用が掛かることでしょう。

konoinfo at 22:25│Comments(0)TrackBack(0)

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