2014年06月14日

複製の値打ち

RIMG1361少し前から店頭に、『名著複刻・日本児童文学館』(ほるぷ出版)をバラして分売しております。一冊300円から500円で。

解説の奥付を見たところ昭和48年の11版で、セット価52000円。40年ほど前のこの価格は、当時の初任給に近い。つまり、現在なら20万円前後というところ。

それが昭和46年の初版刊行以来、3年の間にそれだけ版を重ねたということに、改めて驚きを感じます。そればかりか、やがて柳の下の二匹目のどじょう、第二集も続けて刊行されました。

おかげで今では、このようにバラして安売りするしかなくなっているわけでもあります。

しかし、この本の値崩れは、単に出回りすぎたからというだけではないでしょう。「懐かしい」と感じる人が、ぐっと少なくなったということもあります。

明治中期から昭和戦前までをカバーした収録作品は、40年前なら、まだ多くの人にとって「懐かしい」本たちだったはずです。ヒット商品となったのも、故なしとしません。

今となっては歴史資料のレプリカ。ある時代の、「本」のかたちを今に見せてくれる実物模型。博物館のお土産的な商品と考えれば、小店の売価も、手頃な価格といえないでしょうか。

ポツリ、ポツリと売れていて、今日も二冊。そのお客様から「この本は、ここ(外函)に書いてある古さですか?」という、素朴な質問をいただきました。

「これは復刻本です」とお答えすると、大きく頷かれ「こんなにきれいな筈はないものね」。

「これくらいきれいな本物があれば、100倍の値段はしますよ」と申し上げて、我ながらその数字が、まるで的外れでもないことに驚きました。

刊行当時の定価と、オリジナルとの価格の開きは、ここまではなかったでしょう。しかしオリジナルは、極美本という限定を付ければ、決して値下がりしてはいないのに対し、復刻はこの値崩れ。天と地ほどの違いになったというわけです。

konoinfo at 18:30│Comments(0)TrackBack(0)

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