2014年06月17日
見逃してばかり

前回の洋書会に出ていた口の中に、前田愛さんの旧蔵書があったのです。市の翌日でしたか、たまたま会う用のあった同業がその荷主で、彼から聞いて分かりました。
それも、「昨日、洋書会に出品して、半分以上ボー(札が入らず引き荷となること)になってしまったんですが、何ともならないものですか」という嘆きのあと、「実は旧蔵者は…」とお話しいただいたのです。
そう聞けば、やはり興味があります。「じゃあ、今度の明治古典会に、もう一度出品してみてください」と、お願いしました。
金曜日、その本を見て、なるほどボーになるはずだ、と思いました。全冊ソフトカバーの、ヤケか、クスミか、イタミか、あるいはそのすべてが備わった洋書で、付箋もあり、線引きもあります。およそ1000冊。
結局他に入札者は現れず、店主が落札いたしました。
そのまますべてを持ち帰るのは、さすがに量が多すぎます。今日の洋書会に、もう一度仕分けなおして、出品いたしました。
前田さんといえば、ご専門は国文学。その方が良くもこれだけ、と思われるほど大量の英文学術書です。それも状態からわかるように、かなり読まれたご様子の。
敬服しつつも、ジレンマに捉われました。名著、必読書の類は、ほぼ線引き、ツカレ。逆に、手つかずで比較的きれいな本は、読む必要を感じられなかった本ということになります。どれを、どう活かすか。
苦心の仕分けも、結局すべて自分で買い戻す形になり、最終的に約8割ほどは、市場で廃棄処分にいたしました。
ここから『前田愛著作集』全6巻が生み出されたのだと、しかしこれはその一部に過ぎないのだと思いつつ。
ところで、先週ボーにならず、つまり売れたのは、どんな本だったのか。買い逃したのではないか、というのはそのことでした。
konoinfo at 19:30│Comments(0)│TrackBack(0)│
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