2014年06月26日

安くはない

RIMG1378不安定なお天気が災いしてか、このところ店売りがさっぱりです。安定していれば売れるのかと問われても困りますが。

そんなある日、「この本はいくらなの?どこに値段が付いてるの?」と表の本を持っていらっしゃったお客様。

函の背に値札が貼ってあるので、そう申し上げると「ああ、こんなところに。500円。安くはないですね」、にこやかな顔でそうおっしゃいます。思わず「えー!」と大声を上げてしまいました。

筑摩世界文学大系の『現代小説集』、函もカバーもついた決して状態も悪くない本です。

店主の反応に驚かれたのか、慌ててとりなすように「いや、本屋さんと喧嘩する気はありません。今は何でも安くなっているということです。これはいただきますから」。

お会計を済まされて、なお釈然としない思いでいる店主に「中も少し見させてもらっていいですか」とのお尋ね。もちろんどうぞごゆっくりとお返事。

やがて、フランス語のポケットブックを4冊ほどお持ちになりました。今度は高いともおっしゃらず、お会計。

それでお帰りかと思いきや、表の洋書棚に捕まり、一冊抜き出すと、またお会計に来られました。

「もう行かなくちゃ、芝居を見に来たのに」。外に出られると、さっきと同じ棚の裏側を見て「アーこんな本がある。困るなあ」。

「荷物は増やしたくないから本は鞄に入れる」と仰っていたのですが、結局、紙の手提げ袋をお出ししました。

「やっぱり買っちゃうんだよね。潰れないで下さいよ、私よりお若いと思うけど」。

何となくこの方のお話しぶりにも慣れてきた店主は、「保証いたしかねます」とお答えして、お見送りしたのでした。

konoinfo at 19:30│Comments(0)TrackBack(0)

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