2014年06月30日
In Memoriam
前田愛旧蔵書を店に出しました。
表紙の汚れを拭き、三方のクスミに軽く紙やすりをかけ、多少とも身ぎれいにして、表の棚などに差しました。
並べると、やはりくすんだ感じが強いのは否めませんが、タイトルはいずれも、なるほどというものばかり。
しかし、After Babel とか Orientalism とかは、もともとヤケ易い紙でもあるため、すっかり茶色く変色しています。その他も大同小異。
これを、以前持っておられたのが、あの前田さんであると、仮に説明してみたところで、それだけで有難がって買っていただけるとは思えません。
それならば、中にしっかりと書入れがある場合はどうか。たとえば Landscapes of Fear とか、Culture and society のように。
書入れを読む楽しみというのは、読書家の中でも、相当達人の域に達していなければ覚束ない技です。たしか由良先生は、そのことを、どこかに書かれていたように記憶していますが。
そ知らぬふりをして、表の棚に紛れ込ませておくことにしましょうか。誰の書入れであるなどということも、もちろん記さずに。
そんな作業を続けていると、一冊の本から一枚のレターヘッドが出てきました。文面は手書き、宛名は書かれていません。読んでみると、前田夫人に送られたものであることが分かります。
内容は、その本を出すにあたって、「前田さんにdedicateすることにしました」というもの。
本のタイトルは Learning Places: The Afterlives of Area
Studies. Duke Univ., 2002.
タイトルページをめくると、白いページの右上隅に、In Memoriam: Maeda Ai とだけ印刷されて、そこにこの手紙の書き手である Masao Miyoshi の署名。
その余白が、万感の思いを伝えているように映りました。
表紙の汚れを拭き、三方のクスミに軽く紙やすりをかけ、多少とも身ぎれいにして、表の棚などに差しました。
並べると、やはりくすんだ感じが強いのは否めませんが、タイトルはいずれも、なるほどというものばかり。
しかし、After Babel とか Orientalism とかは、もともとヤケ易い紙でもあるため、すっかり茶色く変色しています。その他も大同小異。
これを、以前持っておられたのが、あの前田さんであると、仮に説明してみたところで、それだけで有難がって買っていただけるとは思えません。
それならば、中にしっかりと書入れがある場合はどうか。たとえば Landscapes of Fear とか、Culture and society のように。
書入れを読む楽しみというのは、読書家の中でも、相当達人の域に達していなければ覚束ない技です。たしか由良先生は、そのことを、どこかに書かれていたように記憶していますが。
そ知らぬふりをして、表の棚に紛れ込ませておくことにしましょうか。誰の書入れであるなどということも、もちろん記さずに。
そんな作業を続けていると、一冊の本から一枚のレターヘッドが出てきました。文面は手書き、宛名は書かれていません。読んでみると、前田夫人に送られたものであることが分かります。
内容は、その本を出すにあたって、「前田さんにdedicateすることにしました」というもの。
本のタイトルは Learning Places: The Afterlives of Area
Studies. Duke Univ., 2002.
タイトルページをめくると、白いページの右上隅に、In Memoriam: Maeda Ai とだけ印刷されて、そこにこの手紙の書き手である Masao Miyoshi の署名。
その余白が、万感の思いを伝えているように映りました。
konoinfo at 19:30│Comments(0)│TrackBack(0)│
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