2014年06月30日

In Memoriam

RIMG1386前田愛旧蔵書を店に出しました。

表紙の汚れを拭き、三方のクスミに軽く紙やすりをかけ、多少とも身ぎれいにして、表の棚などに差しました。

並べると、やはりくすんだ感じが強いのは否めませんが、タイトルはいずれも、なるほどというものばかり。

しかし、After Babel とか Orientalism とかは、もともとヤケ易い紙でもあるため、すっかり茶色く変色しています。その他も大同小異。

これを、以前持っておられたのが、あの前田さんであると、仮に説明してみたところで、それだけで有難がって買っていただけるとは思えません。

それならば、中にしっかりと書入れがある場合はどうか。たとえば Landscapes of Fear とか、Culture and society のように。

書入れを読む楽しみというのは、読書家の中でも、相当達人の域に達していなければ覚束ない技です。たしか由良先生は、そのことを、どこかに書かれていたように記憶していますが。

そ知らぬふりをして、表の棚に紛れ込ませておくことにしましょうか。誰の書入れであるなどということも、もちろん記さずに。

そんな作業を続けていると、一冊の本から一枚のレターヘッドが出てきました。文面は手書き、宛名は書かれていません。読んでみると、前田夫人に送られたものであることが分かります。

内容は、その本を出すにあたって、「前田さんにdedicateすることにしました」というもの。

本のタイトルは Learning Places: The Afterlives of Area
Studies
. Duke Univ., 2002.

RIMG1388タイトルページをめくると、白いページの右上隅に、In Memoriam: Maeda Ai とだけ印刷されて、そこにこの手紙の書き手である Masao Miyoshi の署名。

その余白が、万感の思いを伝えているように映りました。

konoinfo at 19:30│Comments(0)TrackBack(0)

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